20年後の介護現場はどうなるのかしら

団塊世代

新たな問題

かつての日本は家制度が根強く、長男が家を継ぐという風習がありました。
長男の嫁は同居し、二世帯もしくは三世帯で生活をするのが当たり前でした。
そのため両親の介護が必要になった時には、家族みんなで分担して介する事が可能でした。

それが今では時代が変化し、必ず家を継がなければいけないという縛りが無くなりつつあります。
それによって核家族の家庭がふえ、介護を必要とする両親の世代が二人暮らしになってしまうケースが増えています。
高齢者同士で介護をしあう事でより、体力的に負担がかかってしまいます。

また場合によってはお互い要介護者になってしまう場合もあります。
高齢者の世代の人たちは、我慢強い世代でもある為誰かに頼ったりすることなく一人で介護を抱え込んでしまう人も多いです。
介護うつや経済的な負担など、新たな介護の問題を生み出してしまっています。
時代の流れによって介護に携わる人の生活環境が変わっていく中で、現代社会の介護に対するサポートは完璧だといえるのでしょうか。

団塊世代の高齢化

今後10年20年という時間が経過するとともに、大きな問題になるのが団塊世代の高齢化です。
今まで日本社会の経済を支えていた世代が、高齢者となり多くの介護を必要とする時代がきます。
しかし団塊世代の介護を支える子供たちの世代は、少子化問題を抱えています。
両親の介護を多くの子供で支えてきたものが、20年後には3分の1の子供の数で支えていかなくてはいけません。

今後医療が進むことで、高齢者の寿命は延びていき、介護年数も伸びていく可能性が高いです。
そうなっていくと、高齢者を支えていく世代の経済的な負担が増加し、思ったような介護をしたくてもしてあげられないという現状が生まれてきます。
今でも要介護レベルが3以上でなければ、料金が比較的に安い特別養護老人ホームには入所できず、年金以外の収入がある場合は、自己負担額も1割から2割へと負担額が増えているのが現状です。
より厳しい環境の中で、多くの高齢者を抱える事になっていきます。

介護の人材不足

そして今多くの介護施設が開設していますが、問題点として取り上げられているのが人材不足です。
資格が無くても仕事を始めることはできますが、労働時間や勤務内容などから離職率も16%と非常に高い職種です。
私も需要がある仕事だからチャレンジしたいという気持ちはあっても、実際に介護を経験していると仕事としてとらえるのは大変だと考えてしまいます。

資格を持っていると優遇されますが、実際の労働内容に対して見合う賃金とは言えないのが現状です。
そのため多々終えやりたい仕事だとしても、収入面で断念する人もいるのが現状です。

収入面をカバーする為には、自然と介護料金の値上げの問題が出てきてしまいます。
要介護者の負担が増え、本来であればプロの介護を受けるべき人たちが、受ける事ができず在宅介護を選択する事になります。
国がどのような形で支援するべきなのか、今後の介護事業に大きな影響をもたらすといえます。